43歳で100万円の家を買ったら、暮らしと人生はどう変わったのか

izu house sea view お金と暮らし

43歳で、伊東市にある100万円の中古住宅を買った。

この記事では、そのあと暮らし方やお金の使い方、気持ちがどう変わったのかを振り返ります。安い家を買えばすべて楽になるという話ではなく、実際に住んでみて分かった変化や大変だったことも含めて書いています。

築37〜38年。土地は約50坪、建物は約60㎡。窓の外には海が見えた。ただし、購入した時点では使えるトイレがなかった。

これは「安い家を買えば人生が全部うまくいく」という話ではない。家賃から少し離れたかった一人の人間が、古い家を買い、住みながら直し、失敗し、2年間暮らした記録だ。

この記事の読み方

この記事は、100万円の家を買って人生全体がどう変わったのかをまとめた入口記事です。細かい修繕、トイレなし生活、賃貸との比較、仕事の話、犬との暮らしなどは、今後それぞれ別記事へ分けていきます。

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先に詳しく読みたい人へ

この記事は全体像の入口です。気になるテーマがある場合は、先に枝記事から読んでも大丈夫です。

43歳で、家賃を払う暮らしを考え直した

この家を買う前は、埼玉で暮らしていた。毎月5万円の家賃が出ていき、ちょうど1年更新の時期も近づいていた。

このまま更新するのか、別の賃貸へ引っ越すのか、それとも思い切って安い家を買うのか。犬のクロムもいたので、引っ越し先を探すのも簡単ではなかった。

持ち家への立派な人生設計があったわけではない。家賃、更新、駐車場、犬との暮らし。そういう現実的な事情の先に、伊東の100万円の家があった。

海が見えた。それが本音では大きかった

購入の決め手は、100万円だったことと、海が見えたことだ。

宅建士なので、権利関係や接道など、書類で確認すべきことは確認した。それでも最後に背中を押したのは、資格の知識ではなく窓の外の景色だった。

100万円で、海が見える家が自分のものになる。冷静に考えれば、安い理由や修繕の必要性をもっと重く見るべきだったのかもしれない。それでも当時の本音は、「この金額なら買える」「ここで暮らしてみたい」だった。

家を買ったら、すぐ暮らせるわけではなかった

売買が終われば、自分の家は手に入る。しかし、鍵を受け取った日から普通の生活が始まるとは限らない。

この家には、最初に使えるトイレがなかった。トイレ本体を約3万円で用意し、ウォシュレットはYahoo!オークションで約1万円で買った。便器が届くだけでは使えない。置く場所、配管、床、接続を考え、実際に使える状態にする必要があった。

屋根がある。壁がある。住所もある。それでも、水回りや電気、雨を防ぐ状態が整っていなければ住まいにはならない。「家を所有すること」と「毎日そこで暮らせること」の間には、時間とお金と作業があった。

固定費は下がった。でも問題が消えたわけではない

固定資産税の納付書が届いた。年間1万8000円だった。

埼玉で月5万円の家賃を払っていた頃の自分なら、1か月分にも満たない金額だ。納付書を見た時、「ああ、これなら生きていけるかもしれない」と思った。

家賃がなくなったことで、仕事の選び方も変わった。大きく稼ぐより、まず生活が続けばいい。そう考えられる余白が少しできた。

ただし、これは少し甘かった。伊豆は都会ほど仕事の選択肢が多いわけではない。固定費が下がることで安心感は増える。でも、地方でどう働くか、どこまで仕事を選べるかは、別の問題として残った。

一番後悔したのは、修繕を軽く考えていたこと

最大の後悔は、思っていたより修繕が大変だったことだ。

修繕全体の見積もりは200万円級だった。ベランダだけでも、修理見積もりは50万円〜100万円ほどだった。100万円で買った家に、家と同じくらいの修繕費がかかる可能性があった。

その金額は、当時の自分には出せなかった。だから「業者に全部頼んで直す」ではなく、「できるところは自分で直す」に変わった。

安い家を買ったから安く済むのではない。安く買った分、どこまで自分で引き受けるかを決める必要がある。

それでも、自分には合っていた

この家が自分に合っていた部分もある。

もともと賃貸や安いアパートにも住んできたので、完璧な家でなくても暮らすことには慣れていた。むしろ、「ここを直せば自分のものになる」と思えると、多少不完全でも暮らせる。

犬のクロムとの暮らしも、賃貸の頃より自由度が上がった。伊豆の山の上で、海を見ながら散歩できる。朝日で目が覚め、鳥の声を聞き、自分で直したベランダでぼーっとする時間もできた。

もうひとつ大きかったのは、自分の生活を取り戻した感覚だ。持ち家になると、ソファーのような大きい物も置ける。クロムと車で海やカフェ、ドッグカフェへ行くこともできる。遠くへ出かけなくても、伊豆の近場を少し走るだけで満足できる時間が増えた。

ただし、すべてが楽になったわけではない。DIYや修繕はまだ終わっていない。移動には車やバイクが必要で、仕事の選択肢も多くない。100万円の家は、何もしなくても楽になる家ではなかった。

簡単にはおすすめできない

100万円の家は、合う人にはかなり面白い。でも、誰にでも簡単におすすめできるものではない。

高い給料の会社員仕事を求める人には難しいかもしれない。地方では仕事の選択肢が限られる。安い家は買った後に自分でやることも多い。壊れている場所を直す。草を刈る。設備を入れる。手続きや調査をする。

その時に、すぐ人のせいにしてしまう人には向かないと思う。自分で選んだ家として、ある程度は自分で引き受ける必要がある。

まとめ|100万円で買ったのは完成した暮らしではなかった

100万円で買ったのは、完成した快適な生活ではなかった。

海が見える古い家と、使えないトイレと、直す場所と、失敗する余地をまとめて買った。修繕は想像より大変で、今でも次の修繕を考えている。

それでも、もう一度同じ条件で買うかと聞かれたら、私は買う。

100万円の家が人生を変えたというより、この家を住める場所にしようとした2年間が、自分の暮らし方を変えた。これが、今のところの研究結果だ。

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