なぜ私は伊東市に移住したのか

伊東市に移住して2年になる。移住を決めた理由を一つに絞るのは難しい。海が好きだったこと、安い家が見つかる可能性があったこと、東京で払い続ける家賃を重く感じていたこと。それらが少しずつ重なって、伊東で暮らす選択につながった。

東京で感じていたこと

東京には仕事も店も多く、交通も便利だった。その便利さに助けられた一方、住み続けるには毎月まとまった家賃が必要だった。収入が減っても家賃は変わらない。生活の基礎にかかる金額が大きいことに、次第に疲れを感じるようになった。

都会が嫌いになったわけではない。ただ、便利さのためにどこまで働き続けるのかを考えるようになった。

伊東に関心を持った理由

伊東には海と山があり、古い戸建てや別荘、リゾートマンションも多い。価格だけを見ると、東京では考えにくい金額の物件が出ることもある。

過去に20万円のリゾートマンションを買った経験があり、安い不動産が必ずしも気楽ではないことは分かっていた。それでも、住居費を小さくできる可能性は魅力だった。

観光と生活は違った

旅行で見る伊東は、温泉と海の町だ。実際に暮らすと、坂道、車の必要性、仕事の選択肢、冬の寒さといった別の面が見えてくる。海まで近く見えても急な坂があり、徒歩では負担になる場所もある。

便利さだけなら東京の方が上だと思う。それでも、窓から海を眺め、混雑から少し離れて暮らせる環境は自分に合っていた。

100万円の家との出会い

移住後、築37〜38年の中古住宅を100万円で購入した。土地約50坪、建物約60㎡。海が見えることが決め手だった。

家には修繕が必要で、トイレも整っていなかった。大工工事には約50万円かかり、自分でも屋根や外壁などを直した。安い家が多い地域だからといって、安く簡単に暮らせるわけではなかった。

2年間暮らして思うこと

夏は比較的過ごしやすいと感じるが、古い家の冬は寒い。移動には車が役立つ。都会と同じ感覚を持ち込むと不便に感じる場面は多い。

それでも、生活費を抑えながら、自分の家を直して暮らす今の生活には納得している。伊東は誰にでも向く場所ではないが、私にとっては生活を組み直せる場所だった。

移住前の理想と今の生活

移住という言葉には、新しい人生が一気に始まるような響きがある。しかし、住所を変えても日常は続く。食事を作り、買い物をし、仕事をし、家の不具合に対応する。伊東に来たから毎日が観光になるわけではなかった。

むしろ移住して良かったのは、特別な休日より普通の日の過ごし方が変わったことだと思う。海が見えることや、東京より人の密度が低いことは、派手ではないが毎日の気分に影響する。夏が比較的過ごしやすいと感じる一方、冬の古い家の寒さは予想以上だった。

伊東を理想の土地として紹介するつもりはない。便利な部分と不便な部分を比べた結果、今の自分には合っているというだけだ。移住先を選ぶ時は、観光の印象より、何でもない平日をそこで過ごせるかを考える方が現実に近い。

移住を決めるまでに考えたこと

私の場合、豪華な移住計画があったわけではない。住居費を抑えることと、自分が落ち着いて暮らせる環境を探した結果だった。仕事や収入が変わっても維持できる住まいか、古い家に手をかける生活を受け入れられるかを考えた。

実際には住んでから分かったことの方が多い。だから移住前にすべてを理解するのは無理だと思う。大切なのは、予想と違った時に引き返せる余裕や、生活を調整する気持ちを残しておくことだった。

まとめ

伊東への移住は、理想の田舎暮らしを求めた結果というより、住居費と働き方を見直した結果だった。海や温泉だけで決めると、暮らした後に違いを感じると思う。坂道も寒さも修繕も含めて、それでもここで暮らしたいか。私の場合、その答えが伊東だった。

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