100万円で買った古い家の固定資産税は、納付書で確認して年間18,000円だった。これまでに2回納付している。この税額だけで、家が安いとは決められない。
購入価格100万円、土地と建物の固定資産税評価額あわせて約200万円、固定資産税の年18,000円は、別の数字だ。評価額約200万円を「200万円で売れる家」と読み替えることはできない。売れる価格と、自分が住んで使う価値も別である。
納付書を見た時、最初に思ったのは「ああ、これなら生きていけるかもしれない」だった。税が軽いことと、修繕や水道、管理費まで含めて家の維持が楽なことは、別だった。
記録にある五つの金額
| 記録にある金額 | 何の数字か |
|---|---|
| 購入価格:100万円 | 売買したときの価格。諸費用込みの約150万円とは別 |
| 諸費用込み:約150万円 | 購入時の関連費用の記録。修繕まで含めた総額ではない |
| 固定資産税評価額:土地建物あわせて約200万円 | 課税のための評価。売却見込み額ではない |
| 固定資産税:年間18,000円 | 納付書で確認した年額。これまでに2回納付した |
| 月換算:約1,500円 | 年額を12で割ったもの。維持費全体ではない |
この家は築38年ほど、建物は約60㎡、土地は約50坪だ。固定資産税18,000円だけを見ると、家を持つ負担は軽く感じる。毎年の住居費への不安は、この数字で小さくなった。
購入価格や古さだけでは、税額は出ない
伊東市の固定資産税は、購入価格ではなく課税標準額に1.4%を掛けて計算する。土地には住宅用地の特例などがあり、評価額と課税標準額も同じとは限らない。100万円×1.4%でこの家の税額を求めることはできない。出典:伊東市・固定資産税
都市計画税も確認が必要だ。伊東市では都市計画区域内の土地・家屋が対象で、税率は0.3%である。この家の年18,000円に、都市計画税がいくら含まれるかは分からない。購入候補では、物件ごとの通知書と課税明細を見る。出典:伊東市・都市計画税
古い家なら毎年下がるのか
築年数だけでは決まらない。家屋の評価は、建て直す場合の価格と経年による減価などで見直され、前年と同じ評価になる場合もある。出典:伊東市・家屋が古くなっても評価額が下がらない理由
住宅用地の「6分の1」は、家全体の税ではない
土地の特例だ。住宅1戸あたり200㎡までの小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準の特例率が評価額の6分の1になる。家屋を含む納税額全体を6で割る意味ではない。出典:磐田市・住宅用地の特例
同じ100万円の家なら、税額も同じとは限らない。土地・家屋の評価や適用条件が違う。この家の18,000円を、別の古家の相場にはできない。
売れる価格と、住んで使う価値
市場価値は、いくらで売れるか。利用価値は、自分にとってどれだけ役に立つか。僕はこの家を、高く転売するために買ったのではない。家賃を下げ、生活の土台を作るために買った。
年間18,000円は、伊東へ来る直前に埼玉県熊谷市の賃貸で毎月約5万円の家賃を払っていた自分から見ると、かなり小さな金額だ。東京で家賃を払っていた頃の自分なら、18,000円は1か月にも満たない金額でもあった。毎月の家賃と違い、毎年必ず来る税金がこの額だったことは、住む場所を持つ不安を小さくする材料になった。
住んでみると、数字だけでは見えない価値があった。この家には海が見える。犬と散歩できる場所がある。DIYもできる。誰かに退去を求められることもない。これは、この家で暮らす僕の実感だ。所有権に関する法的な保証を述べたものではない。
売却価格だけで見れば弱い家かもしれない。自分の生活を支える道具としては、かなり大きな価値があった。
税額は軽かった。修繕は別だった
古い家なので、手を入れる場所も多い。この家で重かったのは、税金より修繕だった。大工工事、足場、塗装、トイレの後付け、屋根やベランダの補修など、買った後に直す場所が出てくる。
固定資産税は納付書で見通しを立てやすい。修繕費は読みにくい。ある日、ここも直さないといけない、あそこも危ない、という話になる。税額と家賃の差だけを、そのまま節約額にはできない。それでも、毎月の家賃がないことは、生活に大きな余白を作った。
購入から約1年10か月で確認できている費用は、100万円の家を約1年10か月持った実質コストに、確定額と概算を分けてまとめてある。
売値が安い理由と、税額が安い理由も分ける。接道や再建築、修繕の必要性は、税額だけでは分からない。購入前には、価格だけでなく、税金、修繕費、管理費、再建築、生活のしやすさを分けて見る必要があった。
買う前は、最新の通知書と物件の明細を見る
ここから先は、これから買う人への確認案だ。売主や仲介に、不要な個人情報を伏せた納税通知書・課税明細書を見せてもらう。
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 年度・年税額 | 直近年度の金額か。1回分の納付額ではないか |
| 対象の土地・家屋 | 買う物件の分か。他の所有物件が合算されていないか |
| 評価額・課税標準額・税目 | 土地と家屋の内訳、都市計画税の有無 |
| 購入後の変更予定 | 使い方や建物を変える予定があれば、税の扱いをその自治体へ確認する |
前の所有者の税額は、確認の出発点だ。将来も同額とは限らない。不明な欄は、その物件の自治体に確認する。
安かったかは、売値だけでは決まらない
固定資産税が安いことは、家を選ぶ材料の一つだ。購入を判断するには、修繕や管理の負担と、そこで望む暮らしができるかも見る必要があった。
この家を買ってよかったかは、将来いくらで売れるかだけでは判断できない。住んでいる間にどれだけ家賃の負担を減らし、どれだけ安心して暮らせたか。僕はそこまで含めて見ている。
持ち家と賃貸の暮らしを比べた記録は、安い持ち家と賃貸、どっちが楽だったのかにまとめてある。