伊東市に移住して2年になる。海や温泉、安い物件に魅力を感じる人は多いと思う。しかし、伊豆での暮らしは観光の延長ではない。自分には合っていても、誰にでもおすすめできるとは思っていない。実際に暮らして感じた向き不向きを書いてみたい。
不便を工夫できる人
伊豆では、地域によって車がほぼ必要になる。坂道も多く、近くに見える店や駅まで歩くのが大変なこともある。都市部のように、いつでも多くの店やサービスを選べるわけではない。
不便を失敗と考えず、自分で方法を探せる人には合いやすいと思う。
古い家を楽しめる人
安い中古住宅は、すぐ快適に住めるとは限らない。私の家には使えるトイレがなく、数週間は災害用トイレとペットシーツを使った。冬は寒く、修繕も続く。
古さを楽しめる人、少しずつ直す過程に価値を感じる人には面白い。一方、購入後すぐ完成した生活を求める人には負担が大きい。
収入を考えてから移る
伊豆には仕事がないとは言わないが、東京と同じ数や種類を期待すると違いを感じる。移住前に仕事、通勤、在宅勤務、毎月必要な生活費を考えておく必要がある。
住居費を下げても、車、燃料、修繕など別の支出が増えることがある。
おすすめしにくい人
便利な交通、豊富な仕事、すぐ使える医療や買い物の選択肢を最優先する人には、場所によって不便が大きい。古い家の虫、湿気、寒さ、設備の故障が強いストレスになる人にも勧めにくい。
セカンドハウスでも、留守中の換気や台風後の点検は必要だ。使わない間も家は傷む。
私にとっての伊東
夏は比較的過ごしやすく、海が見える環境を気に入っている。冬の寒さや修繕の大変さはあるが、住居費を小さくして暮らしを組み立てられることに価値を感じる。
便利さを手放した代わりに、自分の家へ手を入れる自由と、生活に必要な金額を下げる可能性を得た。
移住前に試してほしいこと
可能なら、観光の繁忙期だけでなく普通の平日に滞在してみるとよいと思う。朝夕の道路、スーパーまでの距離、雨の日の移動、夜の静かさは、短い観光では見落としやすい。物件から職場や病院まで実際に動いてみると、地図上の距離とは違う感覚が分かる。
古い家を検討するなら、冬の室温や湿気も想像しておきたい。私の家は夏は比較的過ごしやすいが、冬は寒い。海に近い景色の良さと、風や建物の傷みやすさを別々に考えることはできない。
移住は合わなければ失敗、合えば成功という単純なものでもない。便利さを失う場面と、得られる余裕の両方を具体的に書き出し、自分が何を優先したいのかを確認する。その作業が、移住後の後悔を減らすと思う。
おすすめできる条件は人によって違う
同じ伊東市内でも、駅に近い場所と山側の別荘地では暮らし方が違う。車を運転するか、通勤があるか、家族と暮らすかによって必要な条件も変わる。伊豆という大きな言葉だけで向き不向きを決めることはできない。
私の経験は一つの例にすぎない。だからこそ、海が見える、物件が安いといった魅力だけでなく、修繕や移動にどれだけ時間とお金を使えるかを自分に問い直してほしいと思う。
移住後に困った時、近くで相談できる人や頼める職人がいるかも大切になる。物件だけを見て決めず、周辺で生活を支えるつながりを作れるかまで考えると、現実的な判断に近づく。
地域をよく見る時間は、遠回りではない。
まとめ
伊豆移住をおすすめしたいのは、不便や古さを含めて暮らしを自分で作りたい人だ。おすすめしにくいのは、都会と同じ便利さを前提にしている人だと思う。移住は観光地を選ぶことではなく、毎日の買い物、仕事、通院、寒さまで選ぶことになる。短期間でも現地で生活し、自分の日常を想像してから決めるのがよいと思う。

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