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古い家の外壁をDIYする前に|塗料を買う前に確認したい下地と作業範囲

100万円で買った伊豆の家で、僕は外壁に自分で手を入れた。同じ足場を使う軒天は、経験がなかったので大工に頼んだ。外壁と軒天を、まとめて自分で直したわけではない。

このことは、2026年6月10日掲載の「DIYで直せるものと業者に頼むべきもの」に書いた。そのとき使った塗料の製品名や量、作業日数の記録はそろっていない。ここからは僕の施工手順の再現ではなく、メーカーの説明をもとに、古い家の外壁を塗る前の準備を整理する。

最初に決めたいのは色ではなく、何の壁に、どんな下地処理をして、どこまで自分で塗るかだ。この順番なら、塗料だけ買ってから必要な補修に気づくのを避けやすい。

まず「壁の材質」と「今ある塗膜」を調べる

同じ外壁でも、モルタルと金属系サイディングでは、下地の扱いが違う。さらに、表面に何が塗られているかによっても確認することが変わる。

ニッペホームの「塗れないもの、塗れるもの」は、素材ごとの下地処理や下塗り材を、使用説明書で確認するよう案内している。「外壁用」という表示だけで選ぶのではなく、自分の壁がその製品の適用下地に入っているかを見る必要がある。

買う前に、次の項目を一枚にまとめると相談しやすい。

調べること残しておく情報
壁の材質モルタル、金属系サイディングなど。分からなければ不明とする
以前の塗装製品名、塗った時期、過去の工事記録の有無
表面の状態粉っぽさ、剥がれ、サビ、汚れがある位置
塗る範囲壁の各面、窓や扉、塗らない部分
傷みや水の跡ひび、穴、室内側の雨染みなどの写真と場所

書類がなければ、壁全体と表面の近接写真を残すところからでよい。写真だけで材質や古い塗膜を判別できなければ、塗料メーカーや施工業者へ確認する。「たぶんこれだろう」で下塗り材まで買わない方が、買い直しを減らせる。

塗装の準備と、先に直す傷みを分ける

アサヒペンの「建物の外壁」では、汚れや剥がれかかった古い塗膜を取り除き、ひびや穴に合った補修材を選び、養生と下塗りをしてから塗る流れを示している。補修材も、傷みの幅や深さ、大きさに合わせて選ぶ説明だ。

ここで分けたいのは、「塗るために表面を整える作業」と、「なぜ傷んだのかを調べて直す作業」である。

僕の家では、軒天に穴があり、破風板も傷んでいた。軒天は屋根の張り出しを下から見上げた部分、破風板は屋根の端に付く板だ。経験のなかった部分は大工へ頼んだ。同じ足場に立てることと、その場所を自分で直せることは別だった。

雨漏りや室内の雨染み、壁の浮きや崩れ、木部の腐り、原因の分からないひびがある場合は、塗って隠す前に建物の状態を専門家へ相談したい。高所も、はしごで無理に届かせる範囲にはせず、足場と作業方法を含めて業者へ相談する。ここは塗料選びより先に決める部分だ。

相談時は、「この傷みは塗装前の補修で扱えるか」「部材の交換や水の入り口の修理が必要か」を分けて聞く。ひびを見つけたら何でも同じ補修材で埋める、という決め方にはしない。

材料と道具は、工程ごとに書き出す

壁の状態が分かったら、工程に合わせて購入候補を並べる。次の表はアサヒペンの外壁塗装の説明をもとにした整理で、僕が購入した道具の一覧ではない。

工程購入前に確かめるもの
汚れ・古い塗膜への対応下地に合う清掃方法、必要な除去用具
傷みの補修傷みの種類に合う補修材、専門業者へ任せる部分
養生窓や扉などを覆うシート、マスキングテープ
下塗り上塗りと下地の両方に合うシーラーなど
上塗り製品指定のローラー、細部用のハケ、塗料容器
作業後用具の洗浄方法、残った塗料の保管方法

シーラーは、上塗りの前に使う下塗り材の一種だ。ただし、どの壁にも同じものを塗ればよいわけではない。候補の上塗り塗料の説明で、指定の下塗り材を確認すると選びやすい。

また、塗料代だけで予算を使い切らないようにしたい。補修材、養生、道具、安全用品、足場や外注が必要な部分を別々に書く。塗る面積が同じでも、必要な準備が同じとは限らない。

必要量は、面積と「何回塗りの表示か」で読む

塗料の量は、家の床面積ではなく、実際に塗る壁の面積をもとに考える。各面の幅と高さ、窓や扉など塗らない部分を記録する。高い場所の寸法は、無理に測りに行かず図面や業者の計測を使いたい。

次に製品表示を見る。例として、アサヒペン「水性シリコンアクリル外カベ用」の公式表示では、同じ容量でも次の違いがある。

壁の条件容量塗り面積の表示
吸い込みが少なく平滑な壁3kg14〜19㎡・2回塗り
吸い込みが多い凹凸の大きい壁3kg5〜6㎡・2回塗り

出典:アサヒペン製品情報(2026年10月25日閲覧)。表示の読み方を知るための例で、僕が使った製品を示すものではない。

この表の面積は、すでに「2回塗り」の条件だ。必要量を考えるときに、さらに2回分として二重に数えない。一方、下塗り材は別製品なので、そちらの塗り面積と回数も別に確認する。

購入用のメモには、塗る面積、壁の凹凸や吸い込み、製品の容量、指定回数、表示上の塗り面積を並べる。面積だけで必要缶数を決めきれない場合は、このメモを持ってメーカーや販売店へ相談できる。

日数と見積もりは、塗る時間だけで決めない

作業予定には、清掃、補修、養生、下塗り、上塗り、乾燥待ち、片付けを入れる。

先ほどの製品は、塗り重ね時間の目安を夏期2時間以上、冬期6時間以上としている。これは塗り重ねを待つ時間で、外壁工事が終わるまでの日数ではない。ほかの製品にはそのまま当てはめず、購入候補の説明を読む。

業者へ見積もりを頼む場合も、「外壁塗装一式」だけで比べるより、次を聞くと自分で作業する部分を考えやすい。

  • 下地の補修と、部材交換が必要な場所はどこか。
  • 下塗り・上塗りの製品名、塗る面積、回数は何か。
  • 足場、養生、廃材処分はどこまで含むか。
  • 自分が作業する部分を設けられるか。その場合、工程や足場の使用条件はどうなるか。

自分が塗る予定でも、先に補修と足場の条件を相談する意味はある。先に塗料を買うより、任せる作業を決めた後の方が準備を絞れる。

よくある疑問

外壁塗料が余ったら、別の場所にも使えるか。

僕は2026年6月16日掲載のベランダ修理の記録に、木製パネルの塗装に外壁塗料の余りを使ったと書いている。ただ、使い回す判断は製品の用途ごとに必要だ。上で例にした製品も床面には適さないと表示されている。余りがあることより、塗る素材と場所に適合することを優先したい。

自分で塗る部分と、業者へ頼む部分を分けてもよいか。

僕の家は、その分け方をした。具体的な依頼の判断は大工に頼んだ工事の記録にまとめている。自分の家で分担するなら、補修完了後に塗るのか、足場をいつまで使えるかも含め、業者と先に範囲を決めるとよい。

塗料を買う前に、まず地上から外壁全体と気になる傷みの写真を撮り、「材質・傷み・塗りたい範囲」を一枚にまとめてみる。そのメモが、製品を選ぶときにも、修理を頼むときにも使える。